企業の業務効率化を促進するSaaS企業8社を紹介。Anyflow、アスタリスト、東京ファクトリーなど

昨今、人手不足が騒がれる中、働き方改革の促進などの要因から、企業側が生産性の向上により注目する流れになったことから、ITへの技術投資を加速させています。

2021年においては、外部クラウドへの利用を増やしていくと回答しているが企業が55%に上ります。

コロナ禍の影響もあり、テレワークの推進とともにWeb会議の導入が加速するとともに、さらなる業務効率を図る企業が増えてきました。

そんな中、SaaSへの導入意欲は高い傾向にあります。

理由として、導入後すぐに利用可能であり、シンプルなUIを意識した製品が多く、学習コストも低いことから導入メリットが非常に高い傾向にあるためです。

また、支払い方法も毎月定額支払うサブスクリプション型での導入が可能なサービスが多いのも特徴です。

そのため、初期投資を抑えられることもSaaS導入比率が高まっている理由の一つでしょう。

そのSaaSサービスの中でも「RPA」「OCR」といった定常業務自動化サービスや、業務のノウハウ継承できる業務効率化サービスを提供する企業を8社ご紹介します。

※本記事では「RPA」「OCR」といった専門用語の説明も踏まえご紹介しております。

1.Anyflow株式会社のSaaS -「Anyflow」-

出典元:https://anyflow.jp/

Anyflow株式会社が提供する「Anyflow」は、ノーコードで作成することができるiPaaSという業務自動化サービスです

iPaaSとは、SaaSなどのクラウドサービス間を連携、効率化するシステムのことを指しています。

自動化と聞くとプログラミング等専門知識を必要とし、ハードルが高くなる認識があるかもしれません。

しかし、こちらの「Anyflow」は、そういったコードを使用せず、誰もが業務効率化を図ることが可能なサービスとなっています。

例えば、会議を設定するだけでも、出席者の予定調整、スケジュール登録、メールやチャットでの出席者への通知など意外とタスクが多くなります。

そこで「Anyflow」を利用することで、会議の予定を立てたあと、自動的にスケジュールに記録されます。

その後、メールやチャットにて出席者に通知するといった一連のアポイントメントフローも自動で行うことが可能です。

他にも、テレワークが推進されていく中、承認申請もコミュニケーションの減少から思うように進まない場合もあるでしょう。

しかし、承認プロセスを利用すれば、申請が上がったと同時に関係者へチャットツールなどを介し通知を行うことができます。

その後、チャットツール上で承認作業を行えるといった使い方も可能です。

国内のSaaS普及に伴い、企業内での導入がどんどん増えていく傾向にあります。

「Anyflow」のようなSaaS間の連携を促すサービスを利用することで、単純業務の時間を削減し、重要度の高い業務に集中できる環境を提供できます。

  • 会社名:Anyflow株式会社
  • 代表:坂本蓮
  • 設立:2016年2月12日
  • 所在地:東京都千代田区平河町2-5-3 Nagatacho GRiD 2F
  • 事業:Anyflowの企画・開発・運営・販売

2.BizteX株式会社のSaaS -「BizteX cobit」-

出典元:https://service.biztex.co.jp/

Biztex株式会社が提供する「BizteX cobit」は、普段日常的に行わなくてはならない単純業務をロボットが代わりを自動的に行ってくれるRPAサービスを提供します。

RPAとは、人が行っている処理手順を記憶させることで自動化できるサービスのことをいいます。

毎日、人力で行っていたデータ入力業務や、データ収集などの単純な業務をロボットが代行して行います。

ロボットを利用することで、人的ミスを減らし社員は、より生産性の高い業務に時間を割くことが可能です。

利用方法としては、簡単にブラウザからアクセスが可能です。ロボットの作成を押し、人による動作を1度記憶させるだけの作業になります。

特に専門知識を必要とせず、シンプルなUIのため学習コストも低く抑えられます。クラウド型のため、導入もスピーディに行うことも可能です。

今後、人手不足が懸念される中、自治体の導入率が50%となっています。

自治体の導入が盛んなのは、デジタル庁の前進であった内閣官房庁IT総合戦略室が中心となり、「自治体DX推進計画」が推進されてきた背景があります。

こうした流れを受け、民間企業でもコロナ禍でのテレワークの流れもあり、RPA導入が進んでいます。

現在は、企業での導入率が40%と市場拡大の余地が大きく、今後さらなる成長を狙えるサービスです。

  • 会社名:BizteX株式会社
  • 代表:嶋田光敏
  • 設立:2015年7月
  • 所在地:東京都新宿区新宿1-3-12 壱丁目参番館2F

3.アスタリスト株式会社のSaaS -「アクトレシピ」-

出典元:https://www.actrecipe.com/

アスタリスト株式会社が提供する「アクトレシピ」は、企業内に導入した複数のSaaS間を連携させるiPaaSと呼ばれるクラウドネイティブなデータ統合サービスです。

iPaaSとは、SaaSなどのクラウドサービス間を連携、効率化するシステムのことを指しています。

現在、4割近くの企業でSaaS導入が進むと同時に、各サービス内へのデータの点在が課題となっております。

そんな中、iPaaSを用いてデータを統合することでデータの点在を防ぎ、より効率の良いデータ利用を可能にします。

「アクトレシピ」の特徴として、機能のワークフローをパッケージ化した「レシピ」と呼ばれるフローが存在します。

この「レシピ」を選択するだけでクラウドサービス間のデータ連携を実現することができます。

既存で作成されているレシピを使用することもできますし、導入企業に応じた新しい「レシピ」の作成も可能です。

また、財務会計領域を強みとしており、財務会計サービス内の顧客情報や、社員情報などを別のサービスへ連携することで効率的なデータ運用が可能になります。

人手不足の常態化が進んでいく中、間接部門の業務効率化を重要視している企業も多いため、需要の増加に期待が持てます。

  • 会社名:アスタリスト株式会社
  • 代表:池上大介
  • 設立:2013年11月
  • 所在地:東京都港区赤坂9-7-1 ミッドタウン・タワー 18F
  • 事業内容:データ統合・内部統制プラットフォーム「アクトレシプ」の企画・開発・運用、クラウドサービスの導入支援

4.株式会社primeNumberのSaaS -「trocco」-

出典元:https://trocco.io/

株式会社primeNumberが提供する「trocco」は、データ分析基盤の運用を自動化し、支援していくサービスです。

昨今、ビッグデータは企業にとって、非常に重要な資産として位置づけられてきました。その流れもあり、データ分析基盤を導入する企業も増えてきています。

しかし、課題としてあらゆるサービスからのデータは、構造が違っているため加工しなくてはなりません。

そのため、実際に利用していくまでに数多くのサーバーを構築する必要があります。

また、あらゆる構造のデータをどのように加工していくのか、どう分析すれば効果的なデータ運用になるのかなどデータ運用が複雑化も懸念されます。

そのため、効果的なデータ活用に時間がかかってしまっている技術的課題もあります。

そんな中「torocco」は、導入している様々なサービスからデータを転送、加工を行い、よりデータ利活用が可能な状態までを自動化できるサービスとなっています。

また、非常に見やすいUIにより、データ分析の複雑なパイプラインもシンプルに可視化されています。

例えば、活動成果と売上の紐付けについても部署をまたいだ売上データ、顧客情報、営業活動情報のデータを転送し、よりクリティカルな分析結果を提供できます。

データ分析基盤は、自社での構築を行うと非常にコストと手間のかかるソリューションとなっています。

そのため、自社構築の難しい企業へSaaSとして導入できることで、ビッグデータの資産化が可能になり、さらなる事業成長をサポートすることができます。

  • 会社名:株式会社primeNumber
  • 代表:田邉雄樹
  • 設立:2015年11月
  • 所在地:東京都目黒区下目黒2-20-28 東信目黒ビル 7F
  • 事業内容:汎用型データエンジニアリングPaaS 「systemN ™」の開発・運営、データ統合自動化SaaS「troccoⓇ」の開発・運営、データテクノロジー領域におけるソリューション提供

5.株式会社アジラのSaaS -「AI-OCRジジラ」-

出典元:https://jijilla.jp/

株式会社アジラが提供するサービス「AI-OCRジジラ」は、PDFや紙ベースの書類をデジタル化するOCRサービスを提供しています。

テレワークの推進とともにデジタル化が進んでいるところもある思います。

しかし、実際には根強いFAX文化、紙面の文化、過去の議事録、研究書類などの入力業務を行っている職場も少なくないでしょう。

そんな中、「AI-OCRジジラ」は紙ベースの書類を読み取りデータ化することが可能であり、データ入力業務などの効率化を図ることができます。

また、株式会社アジラは、行動認識AIを中核とした映像解析を強みにしているため、AI技術が使用されています。

そのため、文字認識精度が低い場合だとしても「AI-OCRジジラ」を利用するごとに読み取り精度が上がっていくのも特徴です。

「AI-OCRジジラ」は、お客様のデータを用いた集計によると97%の読み取り精度を実現しています。

また、クラウド上にアップロードすることのできない書類に対応するために社内設置できるサービスも提供し、セキュリティの厳しい企業の需要も獲得しています。

実績として、経済産業省に導入されており、紙ベースで保管されていた過去の議事録や研究会の資料をデータ化し、スマートな保管を実現しています。

100枚あたり50分以上かかっていた入力は、9分台で処理が可能になっています。

株式会社アジラは、日本人とベトナム人によって共同設立された会社です。

行動認識の分野で世界No.1を獲得している企業であり、世界各国のエンジニアから注目を集めています。

  • 会社名:株式会社アジラ
  • 代表:木村大介
  • 設立:2015年6月
  • 所在地:東京都町田市中町一丁目4-2
  • 事業内容:行動認識AIを中核とした映像解析事業

6.株式会社シナモンのSaaS -「Aurora Clipper」-

出典元:https://cinnamon.is/auroraclipper

株式会社シナモンが提供するSaaS「AuroraClipper」は、膨大なデジタル文書からの情報を抽出し、必要な情報を提供するサービスになります。

AIを活用しており、文書から必要な情報を取捨選択し、より業務に効果的な情報を提供することが可能です。

また、文章の内容の取捨選択が必要な場合でも、AIの学習により練度の高い情報提供が可能です。

例えば、過去の報告書から情報を抽出しデータベース化にすることが可能です。

そのデータベースを情報源に、手順書などをアップロードすることで業務内容に合わせて、最適なトラブルの事例などを提案します。

この提案により、ベテランでなくても人的ミスの抑制を可能にするなどリスクを低減できます。

大量の文書へのレビューが必要な場合でも、読み取り、重要情報を自動で提供するため、時間を大幅に削減することができます。

契約書・論文・SNSなどの様々な長文にも対応しています。

「AuroraClipper」は、クラウド版と社内版が用意されているため、企業のセキュリティに合わせて柔軟に導入が可能です。

ディープラーニングにより、情報抽出の練度も上がっていき業務引き継ぎや、技術継承が必要な職場には効率的に過去のノウハウをつないでいけるサービスです。

  • 会社名:株式会社シナモン
  • 代表:平野未来
  • 設立:2016年10月
  • 所在地:東京都港区虎ノ門3-19-3 スピリットビル6階
  • 事業内容:機械学習やディープラーニングを活用した人工知能に関するプロダクト提供

7.株式会社チュートリアルのSaaS -「Robotic Crowd」-

出典元:https://www.roboticcrowd.com/

株式会社チュートリアルの「Robotic Crowd」は、クラウド型RPAを提供し、業務の自動化を図り、効率化し成果に直結する業務に集中できる環境を提供します。

例えば、ECサイトにて商品を出品する業務においても、複数のECサイトに出品する場合もあります。

各プラットフォームごとに、少し登録フォーマットが異なりますが、ほとんど定常業務が必要となります。

「Robotic Crowd」を利用すると、商品マスタにデータを登録するだけで自動的に複数のECサイトへの出品が可能になります。

また、データ収集の作業が必要な場合も、ネット上の情報を自動で取得し、自動で表計算ソフトなどにグラフでまとめて表示もできます。

このような、今まで実施してきた繰り返しの定常業務をロボットに代行してもらうことが可能です。

そのため、ロボットに指示を行うことで24時間代わりに作業を代行でき、より効果的な業務に集中できます。

「Robotic Crowd」は、SaaSであり構築不要、導入も簡単であり、ブラウザから誰でもアクセスできるため簡単に操作ができます。

チーム間の情報共有も可能で、テキストベースでまるごとコピーすることができ、チーム間での共有が可能、スムーズなノウハウの蓄積を実現します。

標準でチャットによるサポート体制が付与されているのも、安心して導入できる理由の1つです。

  • 会社名:株式会社チュートリアル
  • 代表:福田志郎
  • 設立:2014年11月
  • 所在地:東京都中央区日本橋蛎殻町一丁目-13-7 日本橋人形町プレイス5F
  • 事業内容:RPAソフトウェアRobotic Crowdの開発、運営、販売
    RPA導入に関わるコンサルティングサービス

8.株式会社東京ファクトリーのSaaS -「Proceed Cloud」-

出典元:https://proceed-cloud.com/

株式会社東京ファクトリーが提供する「Proceed Cloud」は、製造業のサプライチェーンの見える化を実現するサービスです。

作業工程の写真を登録し、表形式で落とし込みが可能です。

案件ごとに区切られたページを作成します。ページ内は、画面上に表形式に作業工程の写真が表示されます。

縦軸が部材、横軸が工程を表しどの工程、部材でどのくらい時間がかかっているのか作業は順調なのかを管理できます。

製造業であると、海外に工場を持っている場合もあり工程の進捗管理に苦悩している企業もあります。

「Proceed Cloud」を導入することで、海外工場からもデータを集約できます。

定期的に海外工場への出張、常駐派遣が必要だった環境でも、Web上で海外工場の工程状況を把握できるため、人的コストの削減が可能になります。

コロナ禍ということもあり、海外渡航ができず工程の進捗が詳しく把握できないなど、企業活動に大きな影響が出てきています。

そんな中、「Proceed Cloud」のようなSaaSを導入することで、コストを抑えて解決可能となりました。

製造情報データベースの構築も提供しており、登録する工程写真に書き込み、コメントが可能です。

これにより製造情報や技術者のナレッジを蓄積することで、技術継承に必要な情報を一元的にまとめて行うことが可能になりました。

コロナ禍の影響もあり、製造業の売上ダウンなどに繋がりデジタル化にも、一旦ストップがかかる企業も有りましたが、DX推進などもあり今後の市場成長が期待されます。

  • 会社名:株式会社東京ファクトリー
  • 代表:池実
  • 設立:2020年4月
  • 所在地:東京都文京区本郷3-40-3 SKビル202
  • 事業内容:製造業向けSaaSの開発・販売・運用
    業務改善コンサルティング

いかがでしたでしょうか。

自動化、SaaS間連携、データ分析基盤など業務効率化サービスを提供する8社をご紹介してまいりました。

今後も人手不足の常態化、テレワークの推進などは今後も継続的に行われていく社会になっていくと予想されます。

そんな中、定常業務の自動化、紙ベースのデジタル化、チーム連携によるノウハウ蓄積など業務の効率化を図ることができるサービスも増えてきました。

より業績に直結するようなクリティカルな仕事にシフトしたい企業の思いもあり、需要は継続的に伸びていくでしょう。

今後も、SaaS業界の情報を発信してまいりますのでキャリア形成の手がかりのヒントになれば幸いです。

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