法律・法務業務関連のSaaS企業9社一挙紹介。ペーパーロジック、ContractS CLM、LegalForceほか

近年、新型コロナウイルスの影響や働き方改革の推進により、テレワークが普及。生産性を維持しながら業務をオンラインで完結させることが求められるようになりました。

企業の法務部門もその例外ではなく、デジタル技術を取り入れることで業務の改革や効率化が求められています。

しかし、法律・法務関連の業務は

「紙や印鑑を必要とする業務が多い」

「オンライン上で取り扱う書類に対するセキュリティ対策が進んでいない」

「業務の標準化が難しく、法律に関する知識を持っていない人が対応できない業務が多い

など課題も多く、業務の効率化やデジタル化が他の部門に比べて進んでいないのが現状です。

そのような状況から、上記の課題を解決する法律・法務業務関連のSaaSへの期待が高まっています。

「契約書の作成・締結、資料の共有、承認などの業務をクラウド上で行える電子契約サービス」

「ブロックチェーン技術の応用や、二段階認証、IPアドレス制限などを活用したセキュリティ対策ができる法務ドキュメント業務に特化したクラウド型ソフトウェア」

「契約書をはじめとする書類のフォーマットとAIによる文書のチェック機能を搭載したプラットフォーム」

「法務業務に関する情報を一元化し、ナレッジの共有審査基準を統一することで法律の知識のない社員の対応できる業務範囲をひろげることができるサービス」

これらのサービスは「リーガルテック」とも呼ばれ、現在急速に市場を拡大。

2023年には国内規模が353億円にまで拡大すると予測されていおり、その需要はますます高まっていくとされています。

今回はこのような法律・法務業務関連のSaaSを提供する注目すべき企業9社を紹介していきます。

1.GVA TECH株式会社のSaaS -「GVA assist」-

GVA assist

出典元:https://ai-con-pro.com/

GVA TECH株式会社のSaaS「GVA assist」は、正確な契約書審査を効率的に行うためのAI契約書審査クラウドです。

「GVA assist」は、契約書の作成や取り交わしに関わる4つの負担を軽減してくれます。

具体的には、契約書を読む負担・直す負担・仕上げる負担・ゼロから作る負担の4つです。

例えば、契約書を読む負担に関しては、リスク単語や不足条文を検知し、重点的に読み込む箇所を指摘します。

また、ワンクリックで表記のゆれや条番号のずれの修正、引用条項の確認すべきポイントのハイライト表示など、契約書を仕上げる負担を軽減する機能も充実。

さらには、契約審査に役立つノウハウ236種類をまとめたプレイブックや、ドラフト作成に使える契約書の雛形を415種類も搭載しています。

この「GVA assist」1つで契約書審査に関する業務の改善・効率化が期待できます。

小規模の会社や法律事務所向けのライトプランから、大企業や複数の法務部門向けのエンタープライズプランが用意されています。

上場企業やスタートアップ企業、法律事務所など、多くの企業・事務所で導入されているSaaSです。

  • 代表者:山本 俊
  • 設立:2017年1月4日
  • 資本金:1,041,000,000円(資本準備金含む)
  • 事業内容:GVAシリーズの開発・提供
  • 参照URL:https://gvatech.co.jp/

2.xID株式会社のSaaS -「e-sign」-

esign

出典元:https://esign.ee/

xID株式会社のSaaS「e-sign」はペーパーレス社会を実現するための電子契約サービスです。

「e-sign」は3ステップで電子契約が簡単に行え、スマホやタブレット上で契約を交わすことができます。

また、デバイス搭載のFace IDやTouch IDなどの生体認証も利用可能なため、利便性も抜群です。

さらに利用期間やアカウント数の制限がないのも大きな利点です。

また、「e-sign」は基本的な機能のみを搭載。

有料の他社サービスと比べ、利用できる機能は限られていますが、無料で利用できるのも大きな魅力です。

「e-sign」に搭載されている機能は、作成した契約書をアップロードし、電子上で契約を締結するオーソドックスな機能となっています。

契約書の作成機能やテンプレート、複数人で管理する機能などは搭載していないため注意が必要です。

また、無料と聞いて、セキュリティが心配だと感じる人も少なからずいるかと思います。

しかし、「e-sign」では仮想通貨などに用いられているブロックチェーンの技術が使われており、セキュリティも心配はありません。

初めて電子契約を導入する企業やコストを抑えて電子契約を行いたい企業にはおすすめのSaaSです。

  • 代表者:日下 光
  • 設立:2012年5月28日
  • 資本金:148,199,975円(資本準備金含む:2021年7月時点)
  • 事業内容:デジタルIDアプリの開発および、ブロックチェーン技術やデジタルIDを活用したソリューションの開発
  • 参照URL:https://xid.inc/home

3.ペーパーロジック株式会社のSaaS -「paperlogic」-

ペーパーロジック

出典元:https://paperlogic.co.jp/

ペーパーロジック株式会社のSaaS「paperlogic」は、請求書や納品書などあらゆる紙媒体の文章を全て電子化できるSaaSです。

「paperlogic」は、紙と電子を統合して管理できるという特徴があります。

また、電子契約から書類の送付、特定の部署や取引先と文書を共有する機能をもつほか、タイムスタンプ機能を用いた非改ざん証明も可能。

電子文章の法的な保存に適しています。

したがって、会議の議事録としての使用や、社内回付や通達の承認などを電子署名で記録することもできます。

テレワークが浸透しつつある現代において、電子契約も一般的になってきています。

今までのように紙を印刷し、印鑑を押してもらうために郵送で送るなどの手間の削減にも繋がります。

導入コストは、基本料金20,000円/月、ユーザー数や容量の追加、API連携をする際に追加料金が発生する仕組みになっています。

この「paperlogic」は、これ1つで今まで紙媒体で行ってきた業務をほとんど電子化できるオールインワンのSaaSといえます。

テレワーク時代に対応した、とても利便性の高いSaaSです。

  • 代表者:横山 公一
  • 設立:2011年4月27日
  • 資本金:1,022,275,000円(2021年3月25日現在)
  • 事業内容:ペーパーレス化(紙原本廃棄)するクラウドソリューションの開発・販売
  • 参照URL:https://paperlogic.co.jp/

4.ContractS株式会社のSaaS -「ContractS CLM」-

ContractS CLM

出典元:https://www.contracts.co.jp/

ContractS株式会社のSaaS、「ContractS CLM」は契約業務を最適化するSaaSです。

契約書作成・レビュー・承認・締結・更新・管理と、契約にまつわる業務を1つのプラットフォームに集約することができます。

「ContractS CLM」の特徴は、導入企業各社、それぞれに合わせて柔軟に設定ができる点です。

自社で作成した契約書の雛形のアップロード、部署ごとに任意の承認者の追加、締結先の要望に合わせた締結方法の選択など、各企業に合わせてカスタマイズが可能です。

また、上記の工程や情報を一元管理するだけでなく、最適なプロセスを構築することで、無駄な工数を削減することができます。

それに加え、今までの書類や担当者情報などを整理し、可視化することもできるため、業務の効率化に役立ちます。

「ContractS CLM」は、自作の契約書をアップロードし、テンプレートとして使用でき、ダッシュボードで自分と他のメンバーの状況把握などが可能です。

この「ContractS CLM」はCLM/契約管理サービス市場でもNo.1のシェアを誇っており、ベンチャーから大手まで、数多くの企業に導入されています。

  • 代表者:笹原 健太
  • 設立:2017年3月31日
  • 資本金:100,000,000円
  • 事業内容:契約マネジメントシステム「ContractS CLM」の提供
  • 参照URL:https://www.contracts.co.jp/

5.株式会社HubbleのSaaS -「Hubble」-

hubble

出典元:https://hubble-docs.com/

株式会社Hubbleの提供するSaaS、「Hubble」は契約書をはじめとする法務ドキュメント業務に特化したSaaSです。

「Hubble」を導入することでドキュメントの管理や共有を効率化することができます。

「Hubble」の最大の特徴は普段使い慣れたMicrosoftのWordを利用できることです。

システム環境を変更する必要がないため、利用者も戸惑うことなく使え、導入に際しての負担を軽減することができます。

機能に関しても、情報の整理・管理・共有ができ、今までの情報を組織のナレッジとして貯めることができ、検索・抽出機能で、必要な情報を都度引き出すこともできます。

また、SlackやTeamsなどのコミュニケーションツールやクラウドサイン、DocuSignなどの各種電子契約サービスなどにも連携可能な点も使い勝手の良いポイントです。

セキュリティにおいても二段階認証やIPアドレス制限が搭載されております。

「Hubble」を導入した企業では、ドキュメント関連業務の6割を削減できた事例や、月300件のメールから解放され、業務効率化に繋がった事例もあります。

  • 代表者:早川 晋平
  • 設立:2016年4月
  • 資本金:60,460,000円(資本準備金を含む)
  • 事業内容:法務向けSaaS型クラウドサービスの開発及び運用
  • 参照URL:https://hubble-docs.com/

6.株式会社LegalForceのSaaS -「LegalForce」-

LegalForce

出典元:httphttps://legalforce-cloud.com/

株式会社LegalForceのSaaS、「LegalForce」は、最先端の技術と弁護士の法務知見を組み合わせ、契約審査の品質向上と効率化を実現するAI契約審査プラットフォームです。

契約書に潜むリスクの洗い出しやリサーチ・修正・管理を一括でサポートします。

「LeagalForce」に契約書をアップロードするだけで、大量の契約書データと弁護士の知見を学習したAIが抜け漏れ等、契約書におけるリスクを洗い出します。

自社独自のルールも登録することで、それに沿った修正も可能。

また、ナレッジの共有や審査基準の統一を行うことで、「脱・属人化」に貢献します。

株式会社LeagalForceでは、AI研究部門の設置、京都大学との共同研究など、開発にも万全の体制で臨んでいます。

契約書の雛形は法律事務所が監修している点も高い評価を受けています。

「LegalForce」は、実際に1000以上の企業や事務所に導入されています。

導入企業の満足度も高く、ユーザーの94%が契約審査の効率化を実感、ユーザーの90%が品質向上を実感しています。

「LegalForce」は契約書レビューツールで導入実績No.1にも輝いた、実績のあるSaaSです。

  • 代表者:角田 望
  • 設立:2017年4月21日
  • 資本金:4,190,000,000円(資本準備金等含)(2021年2月現在)
  • 事業内容:法律業務に関するソフトウェアの研究・開発・運営・保守
  • 参照URL:https://legalforce-cloud.com/

7.株式会社サイトビジットのSaaS -「NINJA SIGN」-

NINJA SIGN

出典元:https://www.ninja-sign.com/

株式会社サイトビジットの「NINJA SIGN」は契約書の作成から締結、管理までの煩雑な業務をオンライン上で完結できる電子契約サービスです。

他の電子契約サービスと同様に、契約書作成のためのテンプレートや、電子締結ができるのはもちろんですが、一番の特徴はGoogleドキュメントが使用できる点です。

Googleドキュメントが使用できることで、契約書作成などの細かい修正をオンライン上で簡単に共有でき、相手がユーザー登録していなくても契約することができます。

Googleドキュメントでの変更履歴なども管理・確認することができるため、業務の効率化に繋がります。

また、「NINJA SIGN」は直感的でわかりやすいユーザーインターフェースであることも人気の理由の1つです。

自社の従業員だけでなく、契約先の方も操作やフローが分かるシンプルな構造になっています。

料金に関しても、月額4,980円~のプランもあり、中小企業にとっても導入しやすいのも魅力です。

これらが評価され、人材派遣やIT・メディア・コンサルなど、さまざまな業界の企業に導入されており、導入3カ月で7割の契約書を電子化することに成功した企業もあります。

  • 代表者:鬼頭 政人
  • 設立:2013年4月24日
  • 資本金:135,670,000円(資本準備金含む)
  • 事業内容:ワンストップ契約サービス「NINJA SIGN by freee」の運営
  • 参照URL:https://sight-visit.com/

8.株式会社リセのSaaS -「LeCHECK(リチェック)」-

LeCHECK(リチェック)

出典元:https://lisse-law.com/lecheck/

株式会社リセの提供している「LeCHECK」はAIが契約書をチェックし、抜け漏れや不備などを指摘、条項の見落としリスクなどを大幅に軽減します。

また、専門弁護士作成の解説を提供しているため、修正も安易に行うことができます。以前は「り~が~るチェック」というサービス名で提供されていました。

「LeCHECK」は他社のサービスと比べて機能を絞って搭載しているため、安価で中小企業でも導入しやすいのが特徴で、実際に幅広い業界の多くの企業に導入されているSaaSです。

このような特徴を持つ「LeCHECK」ですが、機能はとても優れています。

前述したように、AIによる契約書のチェック、専門弁護士の解説以外にも、英文の契約書のリーガルチェックにも対応。

それだけではなく、契約書作成の際のテンプレートも多数搭載してり、契約書作成の工数や手間の削減に貢献します。

また、契約書の保管管理に対応。そのほか有料オプションにはなりますが、弁護士の法務アドバイスなどの機能もあり、サポートが充実しています。

「LeCHECK」はリーガルテックの分野で唯一、「Microsoft for Startups」に選ばれているサービスです。

「Microsoft for Startups」はMicrosoft社がスタートアップ企業の成長を支援するプログラムで独自の審査をクリアした企業が選出されます。

  • 代表者:藤田 美樹
  • 設立:2018年6月
  • 資本金:330,200,000円
  • 事業内容:契約書レビューAIクラウドサービスの開発。 英文契約書に特化した機械翻訳サービスの提供。
  • 参照URL:https://lisse-law.com/

9.FRAIM株式会社のSaaS -「LAWGUE」-

LAWGUE

出典元:https://lawgue.com/

FRAIM株式会社の提供するSaaS、「LAWGUE」は契約書や規定、開示文書などのさまざまな文章の作成や検索、レビューを効率化するサービスです。

インデントや番号の修正をワンクリックで行うことができるため、業務の効率化に貢献します。

さらには、文章を作成する際に社内ルールのポイントを可視化し、業務の標準化や品質の均一化を行うことができます。

また、文書作成のナレッジを蓄積し、共有することも可能です。

共有の際も従来のように文章を添付する必要はなく、メンション機能を使ってオンライン上で完結することができます。

契約書だけでなく、さまざまな文章に対応しており、オンライン上でスピーディーに修正と共有ができる点が評価されているサービスです。

その他にも、シンプルなUIや、プライバシーマーク取得済で通信やアカウントの保護対策もされている点も評価されています。

  • 代表者:堀口 圭
  • 設立:2018年4月27日
  • 資本金:376,470,881円(資本準備金含む)
  • 事業内容:クラウド ドキュメント ワークスペースの研究・開発・提供
  • 参照URL:https://fraim.co.jp/

いかがでしたでしょうか。

今回は法律・法務業務関連で活躍するSaaS企業9社を紹介しました。

契約書の作成や締結、資料の共有から承認までを行えるサービスは、さらに需要が高くなることが見込まれます。

今後も同業界に関する情報を発信してまいりますので転職先の候補としてご検討いただければと思います。

今回紹介した企業の求人情報やさらにSaaS企業について詳しくお知りになりたい方は無料転職相談実施中ですのでお気軽にお問い合わせください。

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